massa142's blog

くり返す このポリリズム

「EXTREME TEAMS」を読んだ

すごい会社はチームが違う! 現代の最先端企業7社、ピクサー、ネットフリックス、エアビーアンドビー、ザッポス、パタゴニア、ホールフーズ、アリババのマネジメントやプラクティスを横断的に紹介。変化の激しい時代にも成長し続ける企業の条件を知ることができる1冊。

読んだ動機

  • いまSQUEEZEで開発文化の明文化や新しくチームビルディングを行っているので、チームや組織に関する知見が欲しかった
  • 昔読んだHow Google WorksTeam Geek小さなチーム、大きな仕事を読み返しつつ、新しい本を探していた
  • 本屋で立ち読みして良さそうだったので購入

勉強になったこと

価値基準のあり方

たとえば多くの企業が「誠実さ」や「チームワーク」を大事にすると掲げているが、それを言うなら誠実さとチームワークを大事に思わない企業やリーダーなど存在するだろうか。そんなふうに形ばかりの価値基準にしないためには、会社の具体的なミッションに沿った、他社とは違う独自性のある言葉にしなければならない。


グループの価値観が高尚すぎると、どう行動に落とし込んでいくかわからない場合がある。「こうすべき」もしくは「こうしてはいけない」などと、期待されている行動がはっきりわかる形で定まっていなければならないのだ。


採用、昇進、報酬制度と結びついていなかったりすれば、価値観はただ空回りするだけで、誰も実現のために努力をしない。本書に登場する先鋭的企業はこの点に留意し、価値基準の遵守を報酬と結びつけ、違反した場合の措置も決めている。価値基準に照らして社員のパフォーマンスに褒美または罰を与えるので、結果と引き換えに価値観を損なっていないかどうか注目する。

開発文化の明文化に取り組んでいるので、この話はとても参考になった。気持ちが乗ってない綺麗な言葉を並べてるだけだったり、決めたことに満足してそれを遵守・運用されてないといったことはよく見聞きすると思う。本書ではそれらをバッサリ否定しているので、読んでいて気持ちよかった。

Netflixの「自由と責任」の文化

社員に絶大な自由裁量権を与え、かわりに高い水準のパフォーマンスを維持させることが、ネットフリックスにとって何より重要なことなのだ。働き方の自由を支えるためなら努力を惜しまない。社員の休暇に関する規定を設けず、本人が必要と思うだけ休んでかまわないほどだ。

これはレベルの高い人材しかいないことが前提となっている。「会社は家族ではない」と断言して、成果を出せない人材には去ってもらうシステムが整えられている。本書で取り上げられている7社のうちで最も厳しい会社だと感じた。

SQUEEZEでもコアタイム制で比較的自由度が高い働き方をしているので、責任という部分について改めて意識させられた。

またNetflixがこのような文化になった背景として取り上げられている出来事についても興味深かった。

一連の解雇が済んだあと、ネットフリックスのリーダー陣は、会社を成長させる取り組みはできなくなるのではないかと恐れた。残った80人で既存事業を回すことに集中しなければならないからだ。ところが驚いたことに、人数を減らしてからのほうが仕事の速度が上がり、質も高くなった。

この経験から玉石混合の集団ではなく、優秀な人材だけで構成される「人材濃度」が高い組織を目指している。

アリババの「オープンな話し合い」

アリババにいるのは文明人ではない。ルールに沿っておしとやかに試合をする選手たちではない。望むことを何が何でも追いかける。極端で過激な人たちだ。会議が終わって出て来るときは、誰もが叫びすぎて顔が真っ赤になっている。それがこの会社での会議のやり方だ。声を張り上げて強烈にやりあう。

声を張り上げることを良しとする文化は新鮮だった。議論の時はいつもHRTとの兼ね合いだったり、強く言うと人格否定に聞こえないだろうかと心配になるけど、こういった議論の仕方が推奨されているとやりやすいかも。

衝突に伴う気まずさは必要で生産的なものであり、パフォーマンスを悪くするものは衝突ではなく緊張感のない現状維持であると書かれている。

おわりに

さしぶりに技術本ではない本を読んだけど、組織論はチーム開発においても勉強になることがとても多かった。この本で取り上げられていることを参考にして、SQUEEZEをもっともっと尖ったチームにしていきたいぞという気持ちです。