- 作者: 鈴木たかのり,清原弘貴,嶋田健志,池内孝啓,関根裕紀
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2017/09/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この度2017/9/9に発売された「Pythonエンジニア ファーストブック」を献本頂きました。
「Pythonエンジニア」としての仕事の全体像を理解して、本格的な開発に取り組むためのさまざまな、そして最新の知識を解説しています。本書だけでPythonによる開発のための知識がすべて得られるわけではありませんが、少なくとも、しっかりとした助走をするためにはとても有効な内容ではないかと思います。
本書の「はじめに」にある通り、仕事でPythonを使う最初の一歩にふさわしい内容となっています。
これらのフレームワークやライブラリは仕事でよく使われているものですが、まだまだ日本語でのまとまった情報が少なく入門書を待ち望む声をたくさん聞いてきました。
このファーストブックではそれらの解説がコンパクトに1冊にまとまっているので、Python基礎を習得した人や他言語での開発経験がある人などなど多くの方々に有益な内容になっていると思います。
また、データ分析やWeb開発の章ではスクレイピングの章で実際に収集したデータを使っており、ここでも実際の業務の流れを体感できるような構成となっています。
ちなみに本書は2015/4発売の「Pythonエンジニア養成読本[いまどきの開発ノウハウ満載!] (Software Design plus)」の改訂なのですが、多くの内容が加筆・追加されていており全然違うものになっているという印象です。
以下、本書内で記されている「Pythonエンジニア養成読本」からの変更点を紹介しておきます。
- 対象となるPythonのバージョンを2.7から最新の3.6に更新
- 第4章に新たに「スクレイピング」を書き下ろし
- 第5章「PyData入門ガイド」は、パッケージ紹介主体の内容から、パッケージを活用してスクレイピングしたデータを解析するという構成に変更
- 第6章「Webアプリケーション開発」では対象とするWebフレームワークをシンプルなBottleから、より本格的なWeb開発に使用できるDjangoへ変更
- 仮想環境の構築方法をvirtualenvから、Python3系標準のvenvに変更
- 各種ライブラリ、ツールのバージョンを最新に更新
- Ansibleの章を削除
Pythonエンジニアの入り口として、基礎を習得した次のステップとしてお薦めできる一冊です!
その他の感想
第1章 Pythonの動向
- Pythonの文化や歴史が丁寧に紹介されている
- コミュニティもたくさん紹介されていて嬉しい
- mokupyも載っている!
- 今回の改訂に伴ってPystonが消えてる…
- Dropboxがサポート打ち切ったからだろうか
- 個人的には一番好きな章
第2章 最低限知っておきたいPython言語の基本
- Python2.7からPython3.6にUpgrade
- ほかは養成読本から変更なしかな
第3章 開発環境とチーム開発
- Python3.6に合わせてvirtualenvからvenvに変更
- ここもほかは養成読本から変更なさそう
- emacsユーザーがPyCharmについて書くの大変そうだった
第4章 スクレイピング
- まずはRequestsとBeautiful Soup4でやってみる
- ページングとかあるとめんどいよねっていうことでScrapyの解説
- Scrapyのインストールでハマりそうなところも丁寧に書かれていてよい
- レゴサイトが題材になってるのは著者の趣味だな
第5章 PyData入門ガイド
- 第4章で収集したデータを使っていくので楽しかった
- この次に PythonユーザのためのJupyter[実践]入門 が読みたくなる内容